製作:日映科学映画製作所 企画:日本軽金属
1962年 カラー 28分21秒
日本のビルディングの歴史は極めて浅い。その走りとも言える日本銀行は、明治20年代日本がようやく近代国家として形を整えた20世紀始めに建てられたものである。
これら近代化の象徴的な建物は、実用的なオフィスビルと装飾的な建物との二つの流れに分かれて行った。今日のオフィスビルの先駆となった海上ビルをはじめ東京駅前のビル群は1920年前後に建てられたものである。
その後、1923年の関東大震災、そして第二次世界大戦の戦災からの復興を経て、更なる機能性を求めて、オフィスビルがアルミニウムを使い始めたのは、この作品が制作された昭和30年代後半のことである。
この映画は日本軽金属本社ビルの建設をモデルにして、日本で初めて本格的に採用するアルミ建材の多角的使用をPRする目的で製作された。潜函方式により地下部分が建築されているのも興味深い。
作曲:真鍋理一郎
効果・録音技術:大橋鉄矢
解説:鈴木徳彦(NHK)