制作:東京シネマ新社 企画:日本ビクター
1998年 カラー 全30分
時の鐘は、寛永4年~11年(1627年~1634年)の間に川越城主酒井忠勝が、城下多賀町 (今の幸町)に建てた物が最初といわれています。
現在の鐘楼は、明治26年(1893年)に起きた川越大火の翌年に再建されたもの。 3層構造で高さ約16m。寛永の創建からおよそ350年間、 暮らしに欠かせない「時」を告げてきた川越のシンボルです。
現在、1日に4回(午前6時・正午・午後3時・午後6時)、蔵造りの町並みに鐘の音を響かせています。
平成8年に時の鐘は、環境庁主催の「残したい"日本の音風景100選"」に選ばれました。
荒川の中流、埼玉県江南町にある押切の河原は、ほとんど人の手が加えられていない自然の草地だ。南に荒川の清流、北は県営大麻生公園ゴルフ場に挟まれた河川敷で、夜鳴く昆虫が多いことでも知られている。
あたりがうす暗くなると、マツムシ、スズムシ、エゾエンマコオロギ、キリギリスなどがいっせいに鳴き出して、秋の夜長を演出する。8月中旬から10月上旬ごろまで、19種類もの虫の音が聞こえてくる。
特にマツムシが多く「チンチロリーン、チンチロリーン」と響く鳴き声は、歩きながらも立ち止まっても、どこにいても聞こえるほどにぎやかだ。
佐原市の市街地の中央には小野川が流れていて、その周辺は江戸時代には銚子と江戸を結ぶ利根川水運の発展により、商業地区として栄えた。
その岸辺の伊能忠敬旧宅前に架けられている樋橋はその昔、小野川を横切って水田に送水するためにつくられた。そこから水があふれ落ちる音から「じゃあじゃあ橋」と呼ばれるようになった。
しかし時代とともに用途もなくなり、昭和30年代には水も流れ落ちなくなったが、風情ある小野川周辺の町並み保存運動と情緒ある橋を取り戻そうという市民の要望が高まったことから、落水施設が復元された。落水は30分間隔で1日に15回行われ、江戸の面影を今に伝えている。
千葉県の中心部に位置する大多喜町には、美しい自然が数多く残されている。町の南部の麻綿原高原は、7月中旬から8月上旬にかけて、緩やかな斜面の高原全体が20万株のアジサイで埋め尽くされる。
また、この一帯はヒメハルゼミの一大生息地で、ちょうどアジサイの開花時とヒメハルゼミの鳴く時期とが重なり、訪れる人をおおいに楽しませてくれる。
ヒメハルゼミの特徴は、単独ではミンミンゼミの声に似ているが、合唱するのが好きなので1匹が鳴き出すと、数百、数千匹が鳴く。
まるで山全体が震えるようにジャー、ジャーと大きく鳴り響き、しばらくするといっせいに鳴きやむ。
演出:岡田一男、鈴木由紀
撮影:谷口常也、草間道則
音声:磯山直樹、清水繁
ナレーター:石原良
プロデューサー:吉田博、岡田一男