制作:ソン・シネマ社 日本語字幕版制作:東京シネマ新社
1992年 カラー 28分41秒
サハリン島北部に暮らすニブフは善意の人たちだった。お客には、実の兄弟の様に接し、敵を持とうとは決して望まなかった。創造主タイフナドとの約束を守って自分たちと、その飼い犬に必要なだけしか魚を取らず、狩にあたっても欲張らなかった。家を建てるのにも必要以上に木を切らなかった。大地を鋭いもので破壊したり、行いや言葉で汚すこともしなかった。祖先の決まりに従い、ニブフは熊の魂を山と森の神、プィル・ウィズングに送り返してきた。だが、ニブフの不幸は外からやって来た。「お兄さんの心遣い」という悲劇が…
社会学者や政治学者によると、ニブフは、西暦2000年にはその歴史を閉じるであろうと予測されている、ソ連の民族の一つである。悲しいことに、我々はこの悲劇の目撃者になった。悲劇の主原因は、ニブフの伝統的な生活様式の強制的な剥奪であった。旧ソ連の野蛮な民族政策は、このエスニック・グループの運命を、「予測」のように完成させるのであろうか。
製作:ラワレンテイー・ソン
脚本・撮影・取材:バアシリー・パルフヨーノフ
日本語字幕版制作:東京シネマ新社 岡田一男