企画・製作:学園花の村 カラー 47分
眼前に展開する農地の荒廃を座視するにしのびず、都市住民と農村住民が手を携えてことに当たろうと静岡の宮城正雄が、小田原の報徳博物館の報徳ゼミで呼びかけたのが平成5年11月、80歳の時であった。
それから5年の研究活動を経て平成10年5月、有機農業研究で著名な鳥取大学名誉教授津野幸人博士の指導のもと、掛川市水垂に7ヘクタールの農地を、60名の会員が耕作に従事する「学園花の村」が設立された。「光陽の里」である。
それから10年後、宮城正雄は学園花の村近くに、新たに二地域居住型の「倉馬の里」を設立し、今また隣の菊川市に三番目の市民農園「南風クラインガルテン」の創設に取り組んでいる。
ビデオ「皆でやろう小さな農業」は、創設期の「光陽の里」1年間の生きた記録である。そこには都会の生活の中では忘れ去られた、笑いに包まれた仲間とのふれあいの毎日がある。癒しを生み出す土の力を、このビデオの中にご覧いただきたい。
我々は今日も、農地を荒廃から守る小さな努力を積み重ねている。その日々の記録は2カ月に1回、出版の学園花の村の機関紙「はなの村だより」に刻まれている。併せてご覧いただきたい。
農水省の統計ではこの20年間、荒廃農地は増え続けていることを報告している。有識者が集まり対策を講じて今なお、見通しが持てないままである。
昭和恐慌時に「自力更生運動」が下からわき上がり、それが国の農政の柱となった過去を思う。我々の活動に将来の展望を開いてくれる、リーダーの出現を待つこと久しいものがある。
(学園花の村広報担当 伊藤公博)
写真提供:掛川市
タイトルデザイン:すずき麗華
倉真報徳社
初馬報徳社
脚本・演出:斉藤次男
撮影・編集:朝田健治
ナレーション:和田篤
選曲:柿本桂一
効果音:内田茂樹