制作・企画:荒川流域ネットワーク
2011年 カラー 18分12秒
入間川・越辺川流域では、昔から「アイ漁」と呼ばれる地曳網漁が行われてきた。この地域でもアユ(鮎)をアイと読んでいようだ。この漁法は、川床が平坦で小砂利質の場所に部屋網を設け、魚を追い込んで捕獲するもので、大型漁業のために知事の許可を受ける漁法である。
入間川水系の地曳網漁では、下流から上流に向かって曳く網を「シラタ」と呼び、上流に設置する部屋網を「トリデ」と呼ぶ。追い込んだ魚は投網で捕獲するが、昔は上流部に作った「受け」に魚を追い込んで捕獲していた。この漁法は、「お大尽の川遊び」と呼ばれ、かつては雑魚を天ぷらや塩焼きにして楽しんでいた。
荒川流域ネットワークは2011年から地曳網漁を体験事業として開催している。参加者は42名で、子どもたちには安全を考慮してライフジャケットを着用してもらった。漁は今川橋上流の区間で行われ、瀬張り網を使って魚の退路を断ち、地曳網漁を行なった。川底の凹凸のためか、目指していたアユは捕獲できなかったが、子どもたちは興味津々に網を曳いていた。
(2011年9月17日に開催 非営利活動法人 荒川流域ネットワーク代表理事 鈴木勝行)