フルンゼ実験農場

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社会東京シネマ新社

作品概要

製作:ソン・シネマ社 1991年 カラー 28分

日本の朝鮮併合の結果、多くの朝鮮人が、朝鮮半島からロシア領沿海州に流出を余儀なくされた。
沿海州で生活を始めた朝鮮人の多くは、植民地主義反対と民族平等を指向するロシア十月革命の理想を熱烈に支持した。

しかし、スターリン指導下のソビエト政権は、満州・朝鮮からの日本軍国主義の浸透を恐れ、1937年秘密裏に沿海州の18万5,000人におよぶ全朝鮮人の中央アジアへの強制移住を行った。

ソ連秘密警察NKVDにより強行されたこの暴挙は、第2次世界大戦期のボルガ・ドイツ人、クリミア・タタール人、チェチェン人など「罰された8つの民族」の強制移住政策の先駆けとなった。

この作品は、ソンの生まれ故郷であるウシトベの「実験農場」に焦点をあて、強制移住と人工的に形成された多民族社会における「共生」の問題を描き出している。

ウシトベは、首都アルマトゥから北方へ約300Km、サリ・イシコルトラウ砂漠の縁をバルハシ湖に向かって流れる、カラタル川流域にある。ここには、1920年代に建設されたシベリアと中央アジアを結ぶトルクシブ鉄道が通っている。

1937年秋、沿海州の朝鮮人は、シベリア鉄道とトルクシブ鉄道を経由して、カザフスタンと中央アジアに移送された。ウシトベは、現在では中ソ和解後建設された新たな国際鉄道、ウルムチ=アルマトィ線の国際急行列車の停車駅ともなっている。

スタッフ

脚本・監督:ラウレンティー・ソン
撮影:ユーリー・パク、ワシリー・パルフョーノフ 
録音:イリーナ・ザヴィヤーロワ
編集:エフゲニヤ・ツォイ
進行:オレーグ・リ、スタニスラフ・ソン
日本語スーパー版製作:岡田一男



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